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2024-05

「圧」

先日、講師研究会のため久々に入間校舎に行って参りました。
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ヴァイオリンの増田加寿子先生、ソルフェージュの増崎靖子先生の講義で、ピアノとは直接関係のないものでしたが非常に興味深い内容でした。

増崎先生のフォルマシオンミュジカルに関する発表は、個人でソルフェージュも教えている私にとっても実にためになる内容で、今日早速本屋で見て参りました。内容が高度なので、また自分でもよく吟味してから実際に導入できればいいなと思っております(^^)

そして、ヴァイオリンの講義。私はピアノ以外の楽器は弾けないのですが、それだけに去年のフルート、今年のヴァイオリンとどんな講義内容なのかとても楽しみにしていました。楽器は違っても、信念、音へのこだわり、体の使い方といったものには大きな共通点があるからです。

増田先生は学生時代にダヴィトヴィチ教授という方からレッスンを受け大きな影響を受けたそうです。数多くの教えを受けたお話から、私が最も印象に残った点をここに書き残したいと思います。

まず、ダヴィトヴィチ先生は何より音を基準にして、その後でそれに必要なテクニックを教えました。自分がどんな音を欲しているか、イメージをもっているか、その想像力が足りなければ先生は様々な表現でそれを促したそうです。例えばパガニーニの「狩り」の消えていくような最後のシーンは、先生がドアからゆっくり出て行って「こういう感じだ」とおっしゃったそうです。笑ってしまいますが、リストの練習曲で感じがわかっているので「なるほどその通り!」と思ってしまいました。

私自身、自分が演奏する際も、また生徒に教える際も、なにより大事なのが「音のイメージ」であると感じます。これがあって初めて目標や練習の仕方が定まるでしょう。音の強さ、長さ、硬さなどを本当に注意深く聴く力、それはそのまま技術と直結していると思います。

もうひとつ印象に残ったのはパールマンの「1900年代のヴァイオリニストたちは今よりもそれぞれ個性的な違う音を持っていた」というインタビューです。ピアノでも同じで、テクニックやコンクール全盛の時代、正確性を求める反動で個性がなくなっていると感じます(自省の意味をこめてです)。

個性という漠然としたもの、それを決めるものはなにか・・それは「圧」にほかならない、と。「圧」とは弓を弦に当てる「圧」であり、指で弦を押さえる「圧」であり、フレーズを思う「圧」だ・・というインタビューもありました。

私も全くもってその通りだと感じました。ピアノにおいても、「打」鍵は微妙なコントロールによって多彩ではありますが、本当の意味での個性ではありません。「圧」鍵は、演奏者自身が何をイメージし、どんな思いを込めて弾いているのか・・(もちろんそれが技術的に合理的な範疇では、です。詳しい技術論はここでは省きます。)それこそがパッションであり、呼吸であり、歌であり、心を動かすものです。そして何千万人が同じ曲を弾いてきた中で、その人自身が弾く理由なのだと思います。

私が今回改めて痛感したのは、何百年も生きて来たアナログな楽器には、イメージ→思い→呼吸→圧という共通点があるということです。だからこそ、王侯貴族の時代から、デジタル社会と呼ばれる現代に至るまで愛され続けてきたのだと思います。
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